#003_NETFLIXの字幕

 僕は、動画ストリーミングサービスをよく利用する。
会員になっているサービスだけでも、NETFLIX , Prime Video, Hulu, Dアニメストア, Abema Videoの5つがある。(Abemaはストリーミングサービスではないが)

いろいろな視点で比較されることのあるストリーミングサービスだが、あまり話されていない「字幕」について取り上げてみようと思う。


 そう思い立って各配信サービスの字幕についていろいろと考察してみようと思ったのだが、一つのサービスを取り上げるだけで割と大変だったので、まずはNETFLIXについて取り上げてみる。

 おいおい比較できればと思うが、上記に挙げた配信サービスで、
唯一邦画やアニメにも字幕がつくのがこのNetflix。

英語や、ものによっては3ヶ国語以上選択肢があるのも珍しくない。

 そもそも、字幕というのは基本的に作品に不要なものだが(キャプションとか必要なものもある)多くの洋画では、吹替でない限り存在している。

つまり、字幕をつける上で大事なことは、いかに作品の雰囲気を壊さないかであると思う。作品が意図しない見え方になってしまうことは、最も憂慮すべき事柄だからだ。
劇場映画であれば、作品に応じてフォントを選ぶことができるが、
動画配信サービスにおける字幕というのは、基本共通化されるためフォント選びも難しい気がする。


本題に戻る。


NETFLIXの字幕について、調べてみた。

項目としては、

1.フォント
2.フォントサイズ
3.装飾・記号などの使い方
4.文字数
5.改行位置
6.数字などの表記

について。

1.フォント

まずフォント。

先述したとおり、何を選ぶかはとても大事。
全作品に当て込むわけだから、とにかくフラットであることが求められる。

ええセリフやん?
後から比較できるように他サービスにもあった「ショーシャンクの空に」。

「源ノ角ゴシック」(公式に発表されているわけではないのですがおそらく)

正直あまりイケてはいない。
けど、とにかくフラットにと考えたらこうなるのかな。

 と、ここで衝撃の事実。

どこかのタイミングからフォントが変わっている。

作品によってではないけれど、ある時期の配信以降からフォントが違う。

最近CMでもやっている、エヴァから抜粋。

名シーンや。

フォントは「平成丸ゴシック体」(これもおそらくだけど)。

本当は斜体じゃないけれど、キャプチャのチョイスが斜体だったので↑の画像も斜体かけてます。

以前のフォントより格段に良くなっている。
フォントにも気を使っているあたり抜かりないな、と感じた。


2.フォントサイズ

たぶん「66pt」ぐらい? 相対比較して意味のある項目になりそう。


3.装飾・記号などの使い方

これはいくつかのパターンを抜き出してみる。

全部網羅はきつかったので気づいたものだけ。

パターンA:『“ ”』引用符の使い方

①言葉の強調

これ。調べてて気づいたけれど、引用符だけフォント違う……。

なぜかはわからない。

強調する際の引用符は脚本段階なのか、翻訳段階なのか、わからないのだけれどおそらく脚本段階だと思っている。


②キャプション

これが一番多い使われ方なのでは。

看板や標識、セリフになっていないもの。

劇場映画だと、こういったキャプションは通常の字幕表示位置からずらしてわかりやすくしていることが多い印象。


③文字を読む

言葉にしない文章。

ただし、後述するが「地の文」とは表示の仕方がちょっと違う。

用途としては強調したい意図ではあるはずだが、引用符をいれることで手紙だということがしっかり伝わる。

引用符が用いられるシチュエーションはだいたいこの3つだった。

使いすぎても気持ち悪いけれど、強調したいシーンは基本的には使われる。

他のサービスどうなっているのか気になる。


パターンB:字幕の上の傍点

これ。小説や漫画でも登場するやつ。

傍点も、脚本段階なのか翻訳段階なのか気になる。

使われ方としては、引用符同様強調するものだけれど、どちらかといえば「注意」の意味合いが強い。読み方や受け取り方を注意してほしいときに使われる。


パターンC:斜体

これが一番わかりやすい。いわゆる「地の文」というやつ。
セリフとして言葉になっていないが声は発しているもの。

そのときのキャラクターの心情描写に用いられる。
面白いのが、上述した手紙では斜体になっていない。

読み手も書き手も声に出しているわけではない。

おそらく書き手が、手紙という手段で他人に直接気持ちを伝えているから斜体になっていないのではないかと感じた。

どんな手段を使おうが、自分以外の誰かに気持ちを伝えた瞬間それは斜体ではない、ということではないかな。

 項目にはしていないけれど、この字幕では空白が用いられている。
「いや□安らぎを」のところ。
字幕では読点を使いたい場面で、基本的には空白が登場する。
文章が長い場合は読点を使いたい場面で改行される。
そんな印象。


4.文字数

これはそんなに難しい話ではない。

1行何文字やねんって話。

結論、(たぶん)14文字。

一応ショーシャンク内全部見て確かめたつもりではあるけれど、抜けあるかもしれない。
ただ、確かにこれ以上長くしないほうが良い気がする。

(と思い、ふとみた進撃の巨人で超えてた。てか上のシンジくんも15文字や。でも日本語作品の字幕はまたちょっと別な気がするのでひとまずここではスルー)


14文字 × 2行はなかった。

そもそも1セリフがそこまでながくなることもあまりないのだろう。


5.改行位置

この改行位置については、相対比較して初めて気づくことがある気がしている。

今だと、「読点を打ちたいところ」「文字数のバランスがとれるところ」

の2軸で決まっているのかなと。

胸ぐらビール再び。


6.数字などの表記

こちらも先程同様に、他サービスと比較して初めて分かることがあるもの。

数字表記は意外と難しくて、揺れが生じやすい。

デフォルト算用数字でも、ひとりと読ませる一人のときは漢数字、四字熟語のときは漢数字、3度目の正直 or 三度目の正直、5人衆 or 五人衆、などなど枚挙に暇がない。

数字は算用数字で! というレギュレーションだとしても、ことわざや「万」の使い方などひとつに絞るのは難しい。


わかりやすい字幕表記が見つけられなかったので、これは画像なし。

あとから他サービスと比較したときに探す。


他にも()の使い方や表示位置、全角スペースと半角スペースの使い方等々、細かく比較してみたいものがたくさんあるけれど、ひとまず大きくはこれぐらい。


次はPrimeVideoあたりを攻めようかと思う。



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